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クリニック・歯科のAI活用|予約電話の自動応答・web問診で受付業務を自動化する方法

ClaudeNow 編集部
クリニック・歯科のAI活用|予約電話の自動応答・web問診で受付業務を自動化する方法

クリニックや歯科医院の「予約・問い合わせの電話対応」「問診」「受付・医療事務」といった毎日の定型業務は、いまはAIで自動化できます。電話の一次受付をAIに任せ、来院前にスマートフォンで問診(web問診)に答えてもらい、保険証や問診票は読み取りソフトでデータ化する——この3つだけでも、人手が足りないなかで電話の取りこぼしと受付の残業を減らし、患者さんの待ち時間まで縮められます。

本記事では、クリニック・歯科のどの業務をAIに任せられるのか、実際の医療機関でどんな効果が出ているのか、そして「患者情報のセキュリティは大丈夫か」「うちのような小さな医院でもできるのか」という不安への答えと、無理なく始める進め方までをまとめます。AIに詳しくなくても読み進められるよう、専門用語はその都度かみくだいて説明します。

クリニック・歯科の受付業務は、どこをAIに任せられるか

AIに任せやすいのは「決まったやり取りが多い業務」です。クリニック・歯科でいえば、(1)予約・問い合わせの電話対応、(2)来院前の問診、(3)受付・医療事務(保険証の読み取り・予約リマインド・再診促進)の3つが代表です。いずれも「毎回ほぼ同じ手順」で進む部分が大きく、人でなくても回せる余地があるからです。

なぜ今かというと、現場の負担はデータでも裏づけられています。厚生労働省の受療行動調査(令和5年)では、外来患者の不満で最も多いのが「診察までの待ち時間」で25.5%。ほかの項目が一桁台のなかで唯一2割を超える、突出した不満です。一方で外来の予約率は79.4%まで上がり、予約・変更・問い合わせの電話が受付に集中しています。受付担当者1,002人への民間調査(peerNIST、2024年)では、約9割が「受付業務を改善したい」、約6割が「電話対応に負担を感じる」と答える一方、診療予約システムの未導入は9割を超えていました。

さらに、医療・福祉の離職率は14.6%(令和5年雇用動向調査)、歯科では新卒歯科衛生士の求人倍率が23.3倍(2023年度)と採用も厳しく、2024年4月からは医師の時間外労働の上限規制も始まりました。「人を増やして解決」が難しいからこそ、定型業務をAIに任せる発想が現実的になっています。

業務 いまの手作業 AIに任せた状態
予約・問い合わせの電話 診療の合間にスタッフが対応し、時間外は取りこぼす AIの自動応答が一次受付し、予約・変更を処理
問診 待合で紙に記入→受付が電子カルテへ手入力 来院前にスマホで回答→内容を自動で整理
受付・医療事務 保険証を見て手入力、予約確認は電話・ハガキ 読み取りソフトでデータ化、リマインドを自動送信

予約・問い合わせの電話対応をAIの自動応答で自動化する

クリニックにかかる電話の多くは「予約・変更・診療時間の確認」といった決まった用件なので、AIの自動応答に一次受付を任せれば、取りこぼしとスタッフの中断を大きく減らせます。歯科向けサービスの整理では、医院にかかる電話の約7割が予約関連とされています(ストランザ「電話がらくだ」)。

ビフォー:診療中も予約・変更・検査結果の電話が鳴り続け、受付スタッフは会計や案内の手を止めて対応します。昼休みや診療時間外の着信は取れず、予約の取りこぼし(=機会損失)や、「何度かけてもつながらない」という不満につながります。

アフター:「自動音声で用件をふりわける仕組み(IVR)」や、人のように会話して用件を聞き取るAI電話が、24時間いつでも一次受付をします。予約の作成・変更・キャンセルや診療時間の案内といった定型のやり取りを処理し、内容を要約して受付のチャットやLINEに通知。スタッフは目の前の患者さんへの対応に集中できます。

効果(いずれも特定の医療機関での導入事例です):

  • 浦添総合病院では、AI電話の導入で電話対応の体制が最大7名から4名に減り、予約数は1.5倍になったと報告されています(Dr.JOY)。
  • 湘南藤沢徳洲会病院では、かかってきた電話に応答できた割合(応受率)が21%から52%へ改善しました(Dr.JOY)。
  • 済生会熊本病院では、1件あたりの通話が10分から2分に短縮されています(Dr.JOY)。
  • AI電話サービスのIVRyでは、対応が必要な電話が8〜9割減ったという事例も紹介されています。
  • 小規模では、岡山のみやはら耳鼻咽喉科で電話対応が約6割減ったと報じられています(日経メディカル)。
スタッフが全部対応 AIの自動応答に一次受付を任せる
受けられる時間 受付がいる時間だけ 24時間・夜間休日も一次受付
取りこぼし 診療中・時間外は取れない 取りこぼしを抑え、後で要約を確認
スタッフの中断 電話のたびに手を止める 定型の用件は中断なし

来院前のweb問診で受付の手間と待ち時間を減らす

紙の問診票をやめ、来院前にスマートフォンで問診に答えてもらう「web問診」にすると、受付の転記作業と患者さんの待ち時間の両方を減らせます。

クリニックの受付業務をAIで自動化する前後の比較(鳴り続ける電話と紙の問診票の山が、AIの一次受付・web問診・書類読み取りに置き換わる様子)

ビフォー:患者さんは待合室で紙の問診票に記入し、受付や看護師がそれを読み取って電子カルテに手入力します。字が読みにくい・記入漏れの確認で行列ができ、入力ミスも起きます。

アフター:来院前に、患者さんがスマホで問診に回答します。回答に応じて質問が変わる「AI問診」を使えば、必要なことを来院前に聞き取り、内容を整理した状態で受付・診察前に届けられます。

効果:ユビーのAI問診は全国1,800施設以上で導入され、初診の問診時間が約3分の1になったとされています。ある病院では、外来看護師を13人から11人にして2名を病棟へ再配置できたという報告もあります。問診という手作業を「来院前の患者さん自身の入力」に前倒しすることで、受付の負担と待ち時間の両方を軽くできます。なお、問診の内容を電子カルテへ自動で取り込む「連携」は、つなぐシステムによって前提条件があるため、まずは「内容が整理されて届く」ところから始めると無理がありません。

受付・医療事務の自動化(保険証の読み取り・予約リマインド・再診促進)

受付・医療事務でも、「保険証や問診票の読み取り」「予約リマインド」「再診の呼び戻し(リコール)」は自動化しやすく、月末のレセプト残業や無断キャンセルを減らせます。

保険証・書類の読み取り(AI-OCR):「紙や画像から文字を読み取る技術(AI-OCR)」を使うと、保険証や資格確認書の氏名・生年月日・記号番号・有効期限をスマホ撮影でデータ化し、レセコンや電子カルテへ取り込めます。「決まった操作を自動でくり返すソフト(RPA)」と組み合わせれば、読み取りから転記・突き合わせまで一気に回せます(自信のない項目だけ人が確認します)。医療法人社団平郁会では、AI-OCRとRPAで請求先情報の入力や入金の突き合わせなどを自動化し、年間およそ1,800時間を削減したと報告されています。受付の手入力が減り、入力ミスによるレセプトの差し戻し(返戻)も抑えられます。

予約リマインド・再診促進:予約の前日・当日のお知らせや、定期検診の呼び戻しは、SMS(携帯電話のショートメッセージ)やLINEで自動送信できます。変更・キャンセルのリンクを添えれば、無断キャンセル(ノーショー)を「事前の連絡」に誘導できます。最終来院日などの条件で対象の患者さんを自動で抽出し、再来院をうながす運用も一般的です。SMSは届きやすい(各社は開封率を約80〜98%と説明)とされますが、これは事業者公表の目安で、1通あたり15円前後の費用がかかる点も踏まえて設計します。

患者情報のセキュリティは大丈夫?(よくある不安への答え)

患者情報は「要配慮個人情報(病歴や診療内容など、とくに慎重な扱いが必要な個人情報)」にあたるため慎重さは要りますが、国のガイドラインに沿ったサービスを選べば、クラウド(インターネット経由でデータを預けて使う仕組み)の利用はむしろ国が進めている方向です。「クラウドだから危ない」わけではありません。ポイントを3つに整理します。

  1. ルールは整っている:厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第6.0版・2023年)」と、経済産業省・総務省の事業者向けガイドライン(あわせて「3省2ガイドライン」と呼ばれます)で、医療機関側とサービス事業者側の役割分担が定められています。ガイドラインに準拠した事業者を選べば、技術的な安全対策の多くは事業者側が担う設計です。

  2. クラウド利用=必ず同意が必要、とは限らない:個人情報保護委員会のQ&A(Q7-53、いわゆる「クラウド例外」)では、事業者が預かったデータの中身を取り扱わないことを契約で定め、適切にアクセス制御している場合、クラウド利用は第三者提供にも委託にもあたらず、患者さん本人の同意は不要と整理されています。ただし、医療機関自身が安全管理の措置をとることは別途必要です。

  3. 危ないのは「クラウド」より「自前の機器・委託先」:警察庁によると、2024年のランサムウェア(データを人質に身代金を要求する攻撃)被害は222件と高水準ですが、主な侵入口はVPN機器などの脆弱性です。電子カルテが長期停止した大阪急性期・総合医療センターの事例(2022年)も、侵入の起点は委託先とVPN経由でした。つまり「クラウドにしたから危ない」のではなく、自院や委託先のネットワーク機器の管理が要点になります。

小さな医院でも、段階的に対応できます。厚労省は「サイバーセキュリティ対策チェックリスト」や、無償の教育ポータル「MIST」を用意しています。電子カルテの普及率も一般診療所で55.0%(2023年・医療施設調査)まで来ており、「小規模だからできない」段階ではありません。

クリニックでAIを始めるなら、まず1業務から

全部を一度に変える必要はありません。最も負担が大きい1業務(多くは予約電話か問診です)から小さく始めるのが、失敗しないコツです。進め方の目安は次のとおりです。

  1. どの業務がいちばん時間と人手を奪っているかを書き出す(電話・問診・レセプトなど)。
  2. その1業務だけ、AIや既存ツールに任せられる範囲を決める(例:予約電話の一次受付だけ)。
  3. 1〜2週間試して、取りこぼしや削減時間を確認してから、次の業務に広げる。

始め方には、(1)自院で予約システムやweb問診を試す、(2)業務にあわせてAIを組み込む導入支援サービスに相談する、といった選択肢があります。たとえばClaudeNowのような導入支援では、業務のヒアリングから自院向けのAIの設計・既存ツールとの連携・使い方の定着までをまとめて任せられます(導入支援サービスの一例です)。

注意点として、AI電話やweb問診の内容を電子カルテに「直接書き込む」連携は前提条件が多く、ハードルは高めです。まずは「電話の一次受付」「問診の前さばき」「書類の読み取り」といった、人の作業を減らす部分から始めると、無理なく効果を出せます。

クリニック・歯科のAI活用は、「鳴り止まない電話」「紙の問診票」「月末のレセプト残業」といった毎日の負担を、人を増やさずに軽くするための現実的な手段です。まずは自院でいちばん困っている1業務を選び、小さく試すところから始めてみてください。

出典

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