SlackやChatworkにAIを連携して社内業務を効率化する方法|ChatGPT連携でできること・費用・始め方

普段お使いのSlackやChatworkにAI(ChatGPT)を連携すると、「社内のよくある質問への一次対応」「長いやり取りの要約」「返信の下書きづくり」「議事録づくり」といった、社員の手が止まりがちな作業をAIに任せられるようになります。新しいツールを覚え直す必要はなく、いつものチャット画面のなかでAIに話しかけるだけ、というのがポイントです。
この記事では、SlackやChatworkにChatGPTを連携すると具体的に何ができるのか、安全に使うために押さえておきたい注意点、費用の目安、そして自社で始めるためのステップを、AIに詳しくない経営者の方に向けてわかりやすく解説します。細かい技術的な設定の手順ではなく、「何ができて、どこまで任せられて、どう始めればいいか」に絞ってお伝えしますので、AIに詳しくなくても大丈夫です。
SlackやChatworkにChatGPTを連携するとできること
社内チャットにAIを連携してまず効果が出やすいのは、「社員が繰り返しやっている、答えはだいたい決まっている作業」です。具体的には次の4つが代表例です。
- 社内のよくある質問への一次対応:「経費精算の締め日はいつ?」「有給はどう申請するの?」といった、毎回同じような質問にAIが先に答えます。
- 長いやり取りの要約:何十件も続いたスレッド(チャット上の一連の会話)を、AIが「要は何が決まったか」に短くまとめます。
- 返信の下書きづくり:取引先やお客様への返信の下書きを、チャット上でAIに作らせて、人が確認して送ります。
- 議事録づくり:会議のメモや録音の文字起こしから、決定事項・担当・期日を整理した議事録をAIが作ります。
これらはすべて「いつものSlack・Chatworkの画面のなか」で完結します。社員にとっては新しいアプリを覚える負担がなく、定着しやすいのが社内チャット連携の大きな利点です。ここでいうChatGPTとは「文章で質問すると人間のように答えてくれるAI」のことで、これをチャットツールにつなぐイメージです。
SlackにChatGPTを連携してできること
SlackにChatGPTを連携すると、チャンネルやスレッドのなかでAIに直接話しかけて、質問への回答・要約・下書き作成を任せられます。Slack(社内のやり取りをチャンネルごとに整理できるビジネスチャット)は外部サービスとつなぐ仕組みが充実しているため、AI連携と特に相性がよいツールです。
代表的な使い方は次のとおりです。
- チャンネルで質問するとAIが答える:「AIに質問する専用チャンネル」を作っておき、そこに書き込むと、社内ルールや過去の資料をもとにAIが回答します。総務や情報システム担当者への「同じ質問」が大きく減ります。
- スレッドの要約:議論が長くなったスレッドで「ここまでを要約して」とお願いすると、論点と結論を短くまとめてくれます。後から参加した人がすぐ追いつけます。
- 返信文の下書き:お客様対応の文面を「丁寧な言葉で」「お詫びを入れて」などの注文付きで下書きさせ、担当者が手直しして送ります。
始め方としては、Slackの「App(アプリ)」と呼ばれる拡張機能としてAIを追加するのが一般的です。すでに用意されたAIアプリをSlackのApp一覧から追加する方法もあれば、自社のルールや資料を覚えさせた専用のAIをつなぐ方法もあります。前者は手軽に試せる入口、後者は「自社向けにしっかり答えさせたい」場合の本格運用、と考えるとわかりやすいでしょう。
ChatworkでAIを使ってできること
ChatworkでもAIを使えば、メッセージの要約・返信の下書き・タスク整理などを任せられます。Chatwork(国産のビジネスチャットで、中小企業に広く使われています)は、AI機能や外部サービスとの連携を通じて、日々のやり取りを効率化できます。
Chatworkでの活用は、大きく2つの方向があります。
- チャット内蔵のAI機能を使う:Chatwork自体が提供するAI機能を使い、メッセージの要約や文章作成を行う方法です。設定が比較的かんたんで、まず触ってみる入口に向いています。
- 外部のChatGPTと連携させる:Chatworkに届いたメッセージをChatGPTに渡して回答させ、その結果をChatworkに返す、という連携を組む方法です。自社の業務に合わせて「こういう質問にはこう答える」と細かく設計できます。
国産ツールならではの使いやすさがあるため、ITに不慣れな社員が多い職場でも、AIによる要約や下書きから無理なく始められます。「まずは社内の問い合わせ対応と要約から」と用途を絞って導入すると、効果を実感しやすくなります。
ビフォーアフター:社内業務がどう変わるか
社内チャットにAIを連携すると、これまで人の手が止まっていた作業を、AIが先回りして肩代わりするようになります。下の表は、よくある業務の「今(ビフォー)」と「AIに任せた後(アフター)」を並べたものです。
| 業務 | ビフォー(今の手作業) | アフター(AIに任せた後) |
|---|---|---|
| 社内のよくある質問 | 社員からの同じ質問に、その都度担当者の手が止まる | AIが一次回答し、担当者は例外だけ対応 |
| 長いスレッドの把握 | 数十件のやり取りを最初から読み返す | 要点を数行に要約、すぐ全体像をつかめる |
| 返信文の作成 | 一から文面を考えて書く | AIが下書き、人は確認・微修正して送信 |
| 議事録づくり | 会議後にメモを整理して作成(30分〜1時間) | 文字起こしからAIが整理、人は最終確認のみ |
| 情報共有 | 「あの件どうなった?」を都度確認 | 要約と決定事項が残り、聞き直しが減る |
ポイントは、AIが人の仕事を「奪う」のではなく、「下書き・一次対応・要約」という手前の部分を引き受け、人は確認と判断に集中できるようになることです。たとえば毎日のように発生する社内の問い合わせ対応や議事録づくりは、積み重なると月に数十時間規模の負担になりますが、その多くをAIに任せられます。同じ考え方を問い合わせ対応の全体に広げた例は、カスタマーサポートの問い合わせ対応をAIで自動化する方法でも紹介しています。
どこまで任せられる?安全に使うための注意点
社内チャットへのAI連携は便利な一方で、「何を入力していいか」の線引きを最初に決めておくことが大切です。安全に使うために、最低限おさえておきたい注意点は次の3つです。
- 社外秘・個人情報の扱いを決める:お客様の個人情報や、取引先との契約金額のような機密情報を、AIにそのまま入力してよいかをルール化します。業務向けに提供されているサービスのなかには、入力した内容をAIの学習に使わない設定にできるものもあるため、契約形態を確認することが重要です。
- 入力してよい情報の範囲を社内で共有する:「この情報はAIに入れてOK、これはNG」を一覧にして社員に周知します。便利だからと何でも貼り付けてしまう前に、共通ルールを作っておくと事故を防げます。
- AIの回答は鵜呑みにしない:AIの回答はあくまで下書き・一次対応です。お客様に送る文章や、社内の正式な案内は、必ず人が最終確認してから使う運用にします。
これらは「AIに任せる範囲」と「人が必ず確認する範囲」を分けることで管理できます。どこまで自動で任せ、どこから人が見るかという線引きは、自社の業務内容によって変わります。情報の取り扱いや権限の設計まで含めてきちんと組みたい場合は、自社の業務をよく理解したうえで、外部の専門家と一緒に設計するのも確実な選択肢です。
費用の目安
社内チャットへのAI連携にかかる費用は、「どこまで任せるか」によって大きく変わります。まずは無料・標準機能の範囲で試し、効果を確かめてから本格運用に進むのが安全です。費用の考え方を段階別に整理すると次のようになります。
| 段階 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| まず試す(入口) | チャットツール標準のAI機能や、用意済みのAIアプリを追加して試す | 無料〜月数千円程度 |
| 小さく運用 | AIの利用料(使った分だけ課金)を払い、特定の用途で日常的に使う | 月数千円〜数万円 |
| 本格運用(おまかせ) | 自社の資料・ルールを覚えさせ、業務に合わせて連携を構築・運用 | 内容により個別見積もり |
「まず試す」の段階は、社員が触ってみて使い勝手を確かめるのに向いています。一方で、「自社のルールや過去のやり取りを覚えさせて、的確に答えさせたい」「複数の業務をまたいで自動化したい」となると、設計と運用の専門性が必要になります。費用対効果(投資した費用がどれだけ回収できるか)の考え方はAI導入の費用対効果・ROIの考え方でも詳しく解説しています。
なお、ClaudeNowの実績では、業務をしっかり棚卸ししたうえでAIを組み込むことで、経理業務で98%の作業削減や、全体で月100時間以上の削減につながった例もあります。社内チャットの効率化も、こうした「業務全体を見直す」流れの一部として位置づけると、効果が大きくなります。
自社での始め方ステップ
社内チャットへのAI連携は、いきなり全社で本格導入するのではなく、小さく試して効果を確かめながら広げるのが成功のコツです。AIに詳しくない場合でも、次の4ステップで無理なく始められます。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 困りごとを1つ選ぶ | 「同じ質問が多い」「議事録に時間がかかる」など、手が止まる作業を1つ決める | 欲張らず、一番つらい1業務に絞る |
| 2. 標準機能で試す | チャットツールのAI機能や用意済みアプリで、その作業を試してみる | まず無料・小規模で効果を体感する |
| 3. ルールを決める | 入力してよい情報・人が確認する範囲を社内で共有する | 安全に使うための線引きを先に決める |
| 4. 効果を見て広げる | 削減できた時間を確認し、うまくいったら他の業務へ展開 | 数字で効果を確かめてから拡大する |
まずはステップ1とステップ2、つまり「困りごとを1つ選んで、標準機能で試す」ところまでは、専門知識がなくても今日から始められます。ここで「これは使える」と手応えがつかめれば十分です。
そこから先、「自社のルールや資料を覚えさせて精度を上げる」「複数のツールをまたいで業務全体を自動化する」「セキュリティや権限をきちんと設計する」といった本格運用の段階は、専門家に任せたほうが結果的に早く・確実に進みます。社内に詳しい人がいなくても、進め方そのものを相談しながら決められます。AI導入を社内に根づかせる進め方は中小企業のAI導入の進め方・最短3日もあわせてご覧ください。
まとめ
SlackやChatworkにAI(ChatGPT)を連携すると、社内のよくある質問への一次対応・長いやり取りの要約・返信の下書き・議事録づくりを任せられ、社員が確認と判断に集中できるようになります。いつものチャット画面のなかで使えるため、新しいツールを覚える負担が少なく、定着しやすいのが特長です。
始める際は、(1) 一番つらい困りごとを1つ選び、(2) 標準機能で小さく試し、(3) 入力してよい情報の範囲を社内で決め、(4) 効果を確かめてから広げる、という順番が安全です。まずは無料・標準機能の範囲で手応えをつかみ、自社の業務に合わせた本格運用が必要になったら、設計と運用を専門家と一緒に進めると確実です。社内チャットの効率化を入口に、業務全体の見直しへとつなげていきましょう。



